photo:ひとしる
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@「職人」

蔵元幸一 : この道、二十年。

思い

A「素材」

羅臼昆布(らうすこんぶ)

羅臼昆布(らうすこんぶ)
羅臼昆布の魅力への想い

関西では、昆布が出汁の材料としてよく使われますが、それはかつて大阪が昆布の一大集散地だったためです。
数種の昆布の中で、私共がもちいるのは「羅臼昆布」。旨味が強く、香りもよい出汁がとれますが、高価で扱いが難しいのが特徴です。
ただ、強い個性を持った羅臼昆布をあえて使うのは、あくまでも個性を長所と捉え、それをいかに引き出して最高の味に到達させるかに、私共の想いを投影させてきたからでもあります。
無難で扱いやすい昆布で平均点の味作りを行うには到底満足せず、最高の味を探求することは、そのまま権太呂の社内風土に繋がります。

オホーツクの荒波
オホーツクの荒波で育った肉厚の上質昆布

羅臼は流氷が流れ着く海。周辺の知床の山々からは、鮭が遡上するほど水が綺麗で、自然のミネラルを豊富に含んだ20本ほどの川が注ぎ込みます。
そのため海も底が透けて見えるほど綺麗で、山海の栄養をふんだんに含みます。こんな海だからこその良い昆布だと思います。
漁は大変な力仕事で、春から夏にかけて行われます。そこから何と47もの工程と、最低1〜2年の寝かせを経て初めて使用できるのです。

google map 羅臼町へ

3種の節(めじか、うるめ、さば)

めじか節 〜玄妙な味わい
めじか節 〜玄妙な味わい

玄妙な味わいの為に三種の節を用いますが、中でも香り、旨味のあるめじか節(宗田鰹の関西での呼称)には並々ならぬこだわりがあります。用います宗田鰹は、高知県土佐清水産のもの。
全国の約8割もの収穫が行われる土地としても有名です。
特に1〜3月に来遊する「寒目近」はサイズ、質ともに最高級です。

めじか
うるめ
うるめ節 〜濃厚な香りと、後に残る味わい

原材料はウルメイワシ。特注品の粗削り節を用い、長時間(約1,5〜2時間)かけじっくりと炊きあげます。その火加減に、プロの熟練の技が試されます。

また、良い出汁は原料の鰹節の選定から始まります。もちいるうるめ節は、九州近海で水揚げされた原魚を、じっくり時間を掛け直火煤乾を何度も繰り返しさらに、一年の熟成を経て削られた極上の節です。節の加工をお願いしているのは、熊本県天草・牛深の「平山勝美商店」さん。

作業効率を優先する現在でも昔ながらの天日干しで、普通の倍の時間をかけて仕上げていく丁寧な手法で、密度の高い極上の節に仕上げていきます。
明らかに機械乾燥ですばやく節に仕上げていく加工場の物と比べ、仕上がりの味が全く違います。

さば
さば節 〜深いコクと、濃厚な味わい

さば節は、ゴマサバを原料魚として用い、深いコクと濃厚な味覚を引き出す重要な役割をもつ鰹節です。早朝一番まず節を噛み、ジワッと口に広がる香ばしさと、深い味わいを確認し釜に入れます。そして強火で焚き、丁寧にあくを取りながら旨味を引き出していきます。
節の加工をお願いしているのは、うるめ節と同じく、熊本県天草・牛深の「平山勝美商店」さん。
昔ながらの天日干しで、普通の倍の時間をかけて仕上げていく丁寧な手法で、密度の高い極上の節に仕上げられています。

B「仕上げ」

天塩(あましお)

素材の味を引き出す
羅臼昆布の魅力への想い

私たちの物づくりのへ基本的な考え方は、「素材を生かす」という事。
そのために「赤穂の天塩」を用います。天塩は塩本来の持ち味を生かすため、自然の栄養素であるミネラル成分を大切にされています。素材の旨味を引き出し海の恵みと言われるにがりを含んだ塩づくり。これが決め手でした。

また、昨今は塩分控えめが時流ですが、私達が天塩を用いる目的は、辛味でなくむしろ甘味を引き出すため。種々の素材の特徴を引き出し、まとめあげる効果をもたらす大切な調味料なのです。まさに、少量がもたらす、最大の効果を発揮するのが天塩なのです。

塩梅(あんばい)

塩梅(あんばい)
素材の味を引き出す

おもむろにすくい上げた一番出汁(昆布と節のみの出汁の事)を、神経を舌に集中させて試飲します。
一番緊張する瞬間が、まさにここです。
その日の昆布、節の出具合に合わせて少しずつ塩を加え、「もうちょっと」の塩梅をはかります。
この塩梅は熟練の勘が必要な、まさに職人技です。

「あと少し」の微調整が職人の技