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耕三寺を訪ねて~生口島~

■毎週日曜更新 権太呂スタッフの「旬な京都便り」

2012.06.10

こんにちは、中西です。
今回ご紹介するのは京都ではなく、瀬戸内海の生口島にある耕三寺さんです。
瀬戸内海に浮かぶ島には、現代アート活動をしているところが多いのですが
この生口島も平山郁夫美術館があり、耕三寺博物館があり、
野外彫刻による「島ごと美術館」があります。

実は、耕三寺さんは10年近くご贔屓いただいているお客様で、
何度かお人柄が察せられる温かいお便りを頂いています。

ようやく評判の高い耕三寺を訪れることができ、耕三寺弘三さまにもお会いすることができました。
「美味しいものが大好き」というお話や「孝」の寺らしく息子さんや家族の方からとても大事にされておられるお話やその他いろいろなお話を楽しく聞かせていただきました。
そんなわけで、耕三寺のご紹介です。

潮聲山 耕三寺は、耕三寺耕三和上が、母親の死後その報恩の念から、墓守として共に暮らしていこうと僧籍に入り、昭和10年から生涯をかけて建立した「母の寺」です。

古建築を手本としながらも、実用性や機能性を重視した建物は「国登録有形文化財」に指定されています。それが堂内に15棟もあります。

五重塔は、奈良室生寺の五重塔を原本にしています。
室生に滞在し、実測をして図面制作にあたったと説明書きがありました。

大阪市天王寺の宝堂を原本として建築された「法宝堂」。近代美術展示館です。

孝養門。日光陽明門を原寸復元したものです。

彫刻、金具、彩色は仏教色を出し、大正、昭和を代表する彫刻家の手によるものです。

本堂は、京都日野法界寺の阿弥陀堂の様式や手法で建立されています。

千仏洞地獄峡

富士山の溶岩と浅間山の焼石で岩組されています。

閻魔大王に裁かれている様子

彫刻絵や石仏約千体があり、地獄や極楽を視覚的に体感できるように造られています。

出ると目の前に救世観音大尊像の姿があります。

八角円堂。奈良法隆寺の夢殿を縮めて復元したもの。

多宝塔。滋賀県石山寺の多宝塔を復元したもの

多宝塔の辺りからは広大な敷地が見渡せます。

蓮の見頃には早かったのですが、睡蓮は見ごろでした。

茶室 銀龍閣。金閣寺の第三層の様式を取り入れています。

これは、お母様のお部屋の花天井。建物・家具・調度から庭園まで、心を配りが見て取れるお屋敷でした。
お母様のために収集した美術品や茶道具、仏教美術品などが耕三博物館に展示されています。

耕三寺耕三和上は、大阪で成功を収めた実業家と紹介されていましたが、
お話をまとめた本に「いくらの予算で、お金が用意できたから作ろうということで始めたのではない。発願し、柱1本、瓦1枚から運び、造っていった」とありました。強く願い、行動に移して成り得たのですね。

「お母さんを仏様のようにほめ讃えてもらいたいのが、拝観者に対する、永い年月における私の念願である。」という思いが語られていました。

ここは、「未来心の丘」。耕三寺敷地内にあります。

広さ5000平方メートルにもおよぶ白い大理石の庭園で、彫刻家杭谷一東(くえたにいっとう) 氏作です。

大理石のすべては氏のアトリエがあるイタリアで採掘し、コンテナ船で運んできたものです。

地中海を思わせる風景には、青い空が似合うのですが、あいにくの曇り空でした。
この彫刻作品群の間を歩いて回り、石のひんやり感を楽しむことができます。
彫刻越しに見える瀬戸内海の風景も素敵でした。

帰りの三原駅付近で見つけたポスターです。
生口島は、この「おしい!キャンペーン」で「レモン産地日本一」なのに知られていないと紹介されています。
帰りに生口島で買った「レモンクッキー」も「干し蛸、干し穴子」もとても美味しいものでした。
「おいしい、生口島」でした。

今回は片道約3時間かかりましたが、お客様にお会いできて充実のプチ旅行でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。(中西)