こんにちは、中西です。
本日ご紹介するのは、北野天満宮のすぐ近くにある「高津古文化会館」です。
「高津古文化会館」は、時代劇の小道具として全国から集めた品々の一部を文化財として保存しています。収蔵品には、重要文化財を含む、甲冑、兜、刀剣、武具類のほか、近世初期風俗画や京都画壇の絵画、京焼などの陶磁器、茶の湯の道具類などがあります。
http://www1.odn.ne.jp/kozu-kobunka/
春と秋に一般公開をしていますが、今回のテーマは「清盛・源平の時代」です。
平清盛はどちらかといえば不人気で、主役になることが少ないのですが、今年は大河ドラマでスケールの大きな政治家ぶりを描いています。(ドラマは視聴率が話題ですが)
今を逃せば紹介する機会がなくなるからとこの企画に至ったそうです。
今回いろいろお話を聞かせて下さった学芸部長の雨宮六途子さんは、長くご愛顧いただいているお客様ですが、直接お会いするのは今回が初めてでした。
展示品は多分予想しておられると思いますが、撮影禁止です。
今回は特別に2階展示室の撮影許可をいただきましたのでご紹介いたします。
3階にも鎧兜や鐙、熊の皮で作られた靴、絵巻物の展示があります。
江戸時代と院政期(平安時代末期から鎌倉幕府成立まで)の鎧兜の比較展示です。
平敦盛を描いた絵にあるように、鎧は置いた時にくしゃっとなっています。
太刀は「はく」、刀は「差す」、位置も体につける方法も異なります。
「太刀」は馬上での戦いを想定して、反りが大きく長いものに発展していきました。
室町時代後期からは、馬上の戦いから足軽による集団合戦に移り、それによって刀も「打刀」に変わっていきました。
では、もうひとつ前の写真に戻って確認してみましょう。
兜は江戸時代に作られたものですが、形や装飾は院政期のものです。
鹿皮に桜の文様を染めた装飾があります。
絵画の展示もあり、こちらは「ひよどり越え」を描いたもの。
左に弁慶、左から2番目は道案内をした猟師の若者「鷲尾三郎義久」
黄瀬川の陣の義経。りりしい若者として描かれています。
公達の舟遊びや馬上から矢を射る絵もあります。
たまたま来館された同志社大の狩野先生と雨宮さんのお話に同席させていただきました。
狩野先生は、京都国立文化博物館在籍時に「スター・ウォーズ展」「伊藤若冲展」などの企画をしておられます。
幻の伊藤若冲作品の発見にまつわる話や事業で得た富を社会へ還元する一環として 文化財保護に努めてこられた人たちの話(大原美術館)などなど。
「Lucky me」というべきか「僥倖に巡り合った」というべきか、楽しいお話に時間の過ぎるのを忘れてしまうほどでした。
さて、今回気になったのが、「武将になろう」のこのチラシで、高津商会のものです。
舞妓・芸者はあっても武将は珍しい。
武田信玄がどうしてこんなに高いのも気になるし、思わずホームページをチェックしました。
http://www.kouzu.jp/busho/
古文化会館のイベントで無料で鎧兜の着付けをしたことがあるそうです。
ごくふつうのおじさんが「ご先祖はどちらの大将?」と思えることもあれば、立派な身なりの人が雑兵にしか見えないこともあり、鎧兜はご先祖を考えさせることがあると雨宮さん話しておられました。
ものすごく着てみたいのですが、1週間前までに予約が必要です。
説明が長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。(中西)