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黄檗山萬福寺のほていさん

■毎週日曜更新 権太呂スタッフの「旬な京都便り」

2013.01.13

こんにちは中西です。
年は初めに縁起の良い「ほていさん(布袋尊)」を訪ねて来ました。

日本最古の七福神めぐりと言われる「都七福神」の一つです。

ここは、宇治黄檗にある「黄檗山萬福寺」で
三大禅宗「曹洞宗、臨済宗、黄檗宗」の黄檗宗の本山です。
写真は三門。同じ幅の門が3つ並んでいます。

開山の隠元禅師の書「萬福寺」
隠元禅師は中国 明の高僧で、63歳の時に乞われて日本にやって来ました。
「いんげん」と聞けば思い当たるものがありませんか?
「インゲンマメ」を日本にもたらした人なのです。
他にも西瓜・蓮根・孟宗竹(タケノコ)・木魚などが挙げられています。
印刷技術、美術、建築、煎茶、普茶料理など多岐にわたる影響を与えた人物と言われています。

山門からまっすぐに進むと「大王殿」があり

ここにほていさんがいらっしゃいます。
中国仏教では、布袋尊は弥勒菩薩の化身とされています。
来日していた明の仏師范道生作のにっこり笑うほていさんを拝していると
福が舞い降りて来そうな気がします。

開梆(魚梆)(かいぱん)
木魚の原型と言われていますが、今でも時を告げるのに使われています。

回廊を渡り移動します。

よく見る左卍に対して、これは、右卍。
卍は、吉祥万徳の集まる所という意味だそうです。

「卍くずし」の意匠
どこか異国情緒を漂わせています。

禅宗のお寺ですので、修行道場があります。

道場の方向を別の角度から見ると、中国寺院となります。

香炉も中国風

ほていさんの前のお供えも見慣れない形です。
左から昆布、寒天、湯葉(たぶん)、一番右はチンゲン菜のようです。

黄檗宗では読経は、現在も古い中国語の発音で行われています。
たとえば一般的な般若心経でいうと「まかはんにゃはらみたしんぎょう・・・」と唱えるところが
「ポゼポロミトシンキン・・・」とい
う具合に。

建築様式も仏像も中国明後期のもので、そのままの形が残っている貴重な文化遺産であることから
重要文化財が数多くあります。

毎月8日のほていさんの日には、入山料が無料となり、手作り市が行われています。

朝早い境内は、参拝する人もまばらでしたが、
正門手前のお店では、10時半ごろには「ちらし寿司」が売り切れとなり、
周りのお店の人が焦っていました。

その焦りは、自分の店の物が売れていないというのではなく、
「しまった、買い損ねた」という焦りでした。
きっと美味しいのでしょうね、私も買っておけば良かったと思いました。

この日買って帰ったのは「蓮の実納豆」、蓮の実の甘納豆です。
スタッフみんなに「一緒に食べよう」と声をかけても
「コレは一体何ですか?」「蓮の実を食べるんですか?」とためらう空気が漂いました。

「菱の実の味に似てる」と説明すると「ヒシ?」
水生植物で、忍者が追手の追撃をかわすときに撒く「マキビシ」の「ヒシ」
・・・話がだんだん遠くなり、栗みたいな味の説明でようやく恐る恐る口にしたのでした。
そして「ほんまや、栗みたいな味がする!」とビックリに変わり、
栗みたいな豆みたいな味で美味しいという結論に達したのでした。

残りは持ち帰り、イチヂクと蓮の実のパウンドケーキを焼きました。
何だか体に良さそうですが、高カロリーです。

ほていさんのお腹のようになってはいけないのですが、
好きなものを楽しんで食べるという口福(コウフク)を味わいました。

大らかな布袋さんが皆さんにも福をもたらしてくださいますように!(中西)