こんにちは!梅田です。今回の『旬な京都便り』は3月20日まで行われていた「京都・東山花灯路 2012」を
お伝え致します。昨年は、会期中に東日本大震災があり、規模を大幅に縮小した内容となりましたが、
今年は震災復興を願い、よりパワーアップして開催されていました!
昨年の震災以降、日本人のモノに対する接し方が変わったように(変わらざるを得なかったのですが)
思います。「eco」「省エネ」の流れをうけ、10周年に当たる今年から、露地行灯2500基の全てが
京都の企業、『ローム』のLED電球に変更になったそうです。消費電力は昨年までの1/6!。
まさに時代に見合った「灯り」なのです。
少し早目に現地に到着しましたので、”灯がともる前”の様子をお伝えします。
会場の一つ、円山公園では大きな行灯に震災復興のメッセージが刻まれていました。
取材日は3/19で翌日が春分の日。日が長くなったなあと感じながら、灯がともる”その時”を待ちます。
ちなみに、すぐ上の写真は「石塀小路」です。それにしても、まるで真冬のように”寒い”んです。
これだけは予想外でした。。お彼岸なのに。。
時は6時。ポツポツと露地行灯に灯がともりはじめます。明かりの管理は前の店に任せているからか、
灯りが付いている行灯があるかと思えば、真っ暗なままの行灯もあったりして、この”ゆるさ”がほのぼのしています。
こちらは二年坂。行灯と街灯のやさしい明かりが街の景色に溶け込みます。
かえるから出ている煙は”お香”。しかも、「桜のとき」だそうです。かえるがたばこを吸っているみたいですね。
煙が見えますか?
こちらは三年坂。先程のようなお香の店はもちろん、かんざし、かばんの店などそこかしこにある
”京都らしい”お店からは甘いような、うっとりするようなお香の香りが通りにまで漂っていました。
先程話題にしましたが、今年の行灯の明かりは全て”LED”。普通、LEDというと冷たい印象の
灯りなのですが、とてもあったか味のある色味なんです。電球が光を放つ角度(配光角と言うらしいです)、
口金のサイズ、光の質など、以前から花灯路ではLED化を検討されてきたらしいのですが、
なかなか条件に見合うものが見つからなかったそうです。
それが、花灯路10年目の今回、ロームの技術でLEDに総入れ替えとなり、現代のニーズに沿った
灯りとなったのです。『10年ひと昔』とはよく言ったものですね。
猫の置物を置いている店を見つけました。店の中をうかがっている猫も”置物”。
三代目京太郎(右)、恋女房の都(左)なのだそうです。首からぶら下がっているのは自己紹介文、
しっぽからぶら下がっているのは「さわらんといてね」といったお願い文。
「さわらんといて」というお願いや、京太郎が「三代目」というところを見ると、初代と二代目は…、
なんてうがった見方をついついしてしまいます。
”角”に行灯。
壁沿いにも行灯。左の生け花は「京都いけばな協会」の方の作品です。
先程紹介した石塀小路にも灯りがともります。暮れなずむなかともる灯りは、幻想的ですね。
左に見える塔は、「祇園閣」という建物です。ホテルオークラなどで知られる大倉財閥創始者、
大倉喜八郎が「金閣、銀閣があるのに銅閣がないのはどうしてか」ということから、昭和の初めに
建てたのだそうです。実際には銅ではなく、鉄筋コンクリート建築なのだそうです。
再び、円山公園に戻ってきました。
ジャグリングのパフォーマンスあり、
震災復興行灯と円山公園の桜。昨年は震災の影響で、花灯路の意味合いが大きく変わってしまいました。
こういったイベントが当たり前のように行われることが実は大切でありがたいことなんですね。
当たり前のことって、無くさないとなかなか気がつかないものです。
そして、今回のオススメが国宝・知恩院三門で行われている「幻想の灯り」です。
公式プログラムの説明によりますと、
「建築物の形状に合わせてプログラミングした映像を投影する「プロジェクションマッピング」によるライトアップ」
とあります。「建築物の形状に合わせて…」というのが、まるで「三門から光が放たれている」と思ってしまうような
すごいものなんです!屋根の形に合わせて光が行き交い、様々な色や模様に変化する様は圧巻!
左下のテントの所におっきなプロジェクターがあり、芸術的な光を”ビビッ!”と放っています。
別角度から。この光と音のショーが終わった時にはご覧になってたお客様から拍手喝采!!
私ももちろん、その拍手喝采したうちの一人でしたよ。今年は花灯路が終わってしまいましたが、
来年もし、お越しになる機会がありましたら、知恩院にはぜひ足を運んでみてくださいね!
最後までご覧頂きましてありがとうございました。 (梅田)