こんにちは、中西です。
京都では16日に大文字の送り火でお精霊さんを送り、お盆の行事が終わりました。
送り火は以前もブログでご紹介しておりますので、今回は「お迎え」についてご紹介します。
「六道まいり」と言われ、六道珍皇寺にご先祖の霊を迎えに行きます。(8/7~8/10)
ここで高野槇を購入します。
境内にはお線香も売っています。
次に、水塔婆にご先祖様の名前を書いていただきます。
(または自分で書いて持って行きます。)
その卒塔婆を持って、「迎え鐘」を撞きます。
この鐘の音はあの世まで響くと言われており、ご先祖様を迎えに来たことを報せるものだそうです。
境内には収まりきらず、門の外にも長い列が続いていました。
本堂へとお参りして、蝋燭をあげます。
線香の煙で、卒塔婆を清めます。
お地蔵様が並ぶところへ水塔婆を納め、高野槇(こうやまき)でお水をあげます。
こうして、先祖の精霊を迎える準備が整います。
お迎えの翌日から16日朝までは、お供え用の料理が結構大変です。
我が家では、5皿+餓鬼仏さん用1皿をお供えします。
床の間の掛け軸もご先祖の肖像画(確か2代目)に替わります。
この期間にお寺で法要が行われるので、出席します。
お盆=忙しい
毎年送り火が終わると、ちょっとした解放感を味わうのは私だけではないはずです。
境内の中央、目立つところに小野篁旧跡があります。
小野篁(おののたかむら)は、歌が百人一首に選ばれ、漢詩の分野では「日本の白楽天」と呼ばれるほどでの逸材で、なおかつ乗馬、弓術、剣術など武芸百般に秀でていたと言われています。小野小町の祖父にあたるそうです。
提灯に「閻魔大宮の臣」と書かれているように、昼は朝廷に仕え、夜は閻魔大王の裁きの手伝いをしたという伝説があります。
夜な夜な冥界に通ったといわれる井戸(死の井戸)が今も珍皇寺にあります。
井戸はあの世への入口専用で、冥界から戻る出口の「生(しょう)の井戸」は、今は廃寺となっている嵯峨野六道町の福生寺にあったと伝えられています。
珍皇寺の閻魔堂には閻魔大王と小野篁の像が並んで安置されています。
この辺りは、平安以前から葬送地であった鳥部野(鳥辺野)の入口にあたり、現世と他界の境にあたると考えられ、「六道の辻」と呼ばれています。
あの世とこの世に境ですから、不思議な話もあります。
この店は、六道の辻の角にある「みなとや幽霊子育飴本舗」です。
慶長4年江村氏の妻を葬った後、数日を経て土中に幼児の泣き声が聞こえ、
掘り返し見ると、亡くなった妻が産んだ子だった。
その頃、毎夜飴を買いに来る婦人あったが、子供が掘り出されたる後は、来なくなった。
この子は、8歳で僧となり、修行怠らず成長の後遂に、高吊な僧になり、68歳で生涯を終えた・・・・と伝わっています。
亡くなった母の魂が、わが子のために飴を届け、大切な命を守りぬいたという「命をつないだ飴」は、450年以上の歴史がある飴です。
すぐ近く六波羅蜜寺がありますが、萬燈点燈は夜9時迄で、もう灯りは消えていました。
六道の辻から10分ほど歩くと五条坂の陶器まつり会場に着きます。
六道まいりの人々や大谷本廟(西大谷)へお盆の墓参りに行く人たち相手に、
五条坂の陶器屋が、一級品として出せないものを売り出したのが始まりです。
出店数は約400店、清水焼だけではなく、全国の焼き物が並び、個人だけでなく、お店で使う器を買い求める人で遅くまで賑わいます。
さて、翌日です。
スタッフの梅田から情報が寄せられました。
「六波羅蜜寺の近くに『バラライカ』という店があって、モーニングを頼むと手品を見せてくれるそうですよ」
「モーニング、手品つき」
なんて魅力的な話なんでしょう!
これは行かねばと訪ねたのがこちらです。
バラライカは、PUFFYが「~聞かせてバラライカ~」と歌っていたロシアの民族楽器です。
店主の畠中英輔さんは、ロシアのグネシン音楽大学留学経験を持つバラライカの奏者です。
出版事業もされていて、というよりは出版事業や執筆に力を注いでいるというお話でした。
雑貨も置いていましたが、ロシア雑貨といえば、マトリョーシカ。
箱根の入れ子細工がもとになったといわれていますが、結構高いんですよね。
右のかわいい子は入れ子細工ではないため、安かったので購入しました。
ピアス入れに使えそうです。
そして、私が楽しみにしていた手品を2つ見せてもらいました。
「ハンカチが消えるマジック」と「スポンジ製のウサギが増えるマジック」
実は来週アメリカのオレゴンに行く予定で、何人かとお食事の予定が入っています。
そこでマジックを披露すれば、わぉーっ!人気者間違いなし。
「買います!」と即決定です。
手品のコツを聞いた結果を要約すると、色々話しながら気をそらすことが重要なようです。
・・・手品よりそちらの方が難しそう。
「人気者作戦」の成果は次の機会にご報告させていただきます。
バラライカを出ると、すぐに六道の辻で、ご先祖の霊をお迎えに次々と人が訪れ
鐘の音が絶えることなく、鳴り響いていました。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。(中西)