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大原 紫蘇畑

■毎週日曜更新 権太呂スタッフの「旬な京都便り」

2014.07.13


こんにちは、中西です。
本日ご紹介するのは、大原にある紫蘇畑です。
梅干しをつける時期はとっくに過ぎたのに、こんなに栽培しているのはなぜでしょう?

朝市では、紫陽花と並べて売られていました。
これはこれできれいなのですが、アレンジメント用ではありません。
  
この赤紫蘇は、大原の伝統食「しば漬け」になくてはならないものなのです。
大原は昼夜の寒暖の差が大きく、朝には霞がかかります。
この霞が大地に保湿をもたらし、香り高く鮮やかな紫蘇を育てます。
大原の紫蘇は色や香りがすばらしく、古くからしば漬けの原料として全国から引き合いがあるそうです。

「しば漬け」とは?
聖護院かぶらを薄く切って昆布と漬け込む「千枚漬」、"すぐき菜"を伝統的製法で乳酸菌発酵させた「すぐき漬」。
これと「しば漬け」を合わせ、「京都三大漬物」と言います。
古くから大原に伝わる「しば漬け」は、茄子を赤紫蘇と塩だけで漬け込み、乳酸菌発酵させたものです。
酢を使うものと区別するため「生しば漬け」と呼ばれています。

壇ノ浦の戦いで平家が滅亡した後、京都の大原に隠棲した建礼門院徳子が、 慰めのために地元の人々から持ち寄られた「夏野菜と赤紫蘇の塩漬」を気に入って「紫葉漬け」と名付けたという言い伝えがあります。名前にも歴史があるんですね、

これが「生しば漬け」
この優しい色合いは、茄子と大原の赤紫蘇と塩だけで作られたものです。
さてその味は・・・酸っぱい!でも後口さわやかで美味しい!
乳酸菌発酵で、赤紫蘇のポリフェノール入り。何だか体にもよさそうです。
  
祇園祭の時期ですので、限定パッケージが販売されています。
せっかく大原へ行ったので、朝市も少しご紹介します。
  
地元ファンも多いのですが、本気の朝市で開催時間は6時~9時です。
 
一番目についたのは、ズッキーニでした。ちょっと意外に思いましたが、今が旬なのでしょうね。
同じ種類に属するかぼちゃも多く売られていました。
 
花も赤紫蘇の束も人気でした。赤紫蘇はジュースにするのでしょうか。
 
朝市が開かれる道の駅の周りは、山里の風景が広がっていました。
本日は「しば漬け」をご紹介しましたが、大原に伝わる「しば漬け」が乳酸菌発酵だということを今まで知りませんでした。
買った時に「常温保存」とあったのでそれにもビックリ。
紫蘇が収穫できる時期に樽に漬け込み、大原の夏の暑さや冬の寒さにさらされ、1年かけて熟成されたものです。
手間ひまかけて、自然の力を借りて作られる「生しば漬け」は、私たちスタッフにとっても初めての味で、「しば漬け風漬物」とは明らかに異なるものでした。さすが伝統の味!
機会があれば是非「ほんまもん」をお試しください。(中西)