ごんにちは、松本です。
まだまだ日差しがきつく残暑は続くようですが、どこか秋の気配を感じるようになったと思います。
夏休みももうすぐ終わり。今年は皆様お盆はどのように過ごされたでしょうか。
今回は8月16日に行われた五山の送り火についてご紹介いたします。
そしてちょっと長いと思いますが、どうぞお付き合いくださいませ!
以前も(http://kyoto.blog-gontaro.com/?eid=3729 <2012年ブログ参照>)ご紹介したことがありますが、
今回北山にある「京都ギリシアローマ美術館」にて大文字送り火鑑賞会に参加してきました!
ニュースにもなったのでご存知の方も多いと思いますが、当日京都は過去あまり見ないほどの大雨にみまわれていました。
直前まで私自身、今日は無理ではと思っていましたが、送り火を点灯する方たちの頑張りで順延も無く、始まりました。
もう玄関から別世界のようです!わくわくしながら門を抜け、石畳を歩きます。
住宅街にある「京都ギリシアローマ美術館」の目印はこちら!素敵な街灯です。
今回は大文字を見るだけでなく、講演会にも参加させていただきました。
内容はこの美術館にふさわしいギリシアの「アクロポリス」のお話で、
皆さんとても熱心に聞いてらして、また積極的に質問している姿が印象的でした。
頂いたお菓子とパンフレットです。
手作りのお菓子でラッピングもかわいく、送り火を見る前にちょっとほっこり。
とってもおいしかったです!
8:00ちょうどぐらい、ベランダに出させて頂いて大文字山(如意ヶ岳)の方向をみていると、
ぽつりとオレンジ色の火が!瞬く間に力強い火になっていき、大きな「大」の字が燃え上がっていきます。
ベランダからは「妙・法」の字もとてもはっきりと見えました。
一つ一つの松明や煙が漂っているのも鮮明にわかります。(カメラのブレで少しわかりにくいかもしれませんが…)
ぼやけてますが、法の字です。斜めからみるとこんな感じ…
妙の上半分です。右上に「少」のヽ(てん)が見えますね!
船形です。この写真は展望台から撮らせて頂きました。
少し場所を変えて和室から…
こんな素敵な所から大文字を見られるなんて…!
今年は5分ごとに順番に点灯され、約20分ほどですべてが点灯しました。
此処からみられるのは大文字・妙・法・船形(ちらりと左大文字も光が…)
帰り道にはいい香りのアロマキャンドルが…とても幻想的でした。
そして虫の音を聞きながら、ぶらりぶらりとかえっていきました。
さて、今回はこれだけでは終わりません。
いつも権太呂でお世話になっている業者さんの井上さんから提供していただいた写真をご紹介します。
なんと大文字保存会の方々(実際に大文字の送り火を執り行っている方たちです)の点灯作業の風景です!!
直前まで雨が降ったり止んだりしていた大文字山。
ビニールシートで護摩木を覆い、雨を防いでの作業です。
送り火はこれまで50年程前に一度台風で延期なった以外、当日に行われてきたようです。
聞いたところによると、土砂降りの中でも、送り火を取り仕切る上役の方々はやめることなんて一切考えてなかったそうです。
ご先祖様を送る行事なのだから、延期はあり得ない、とのこと。
そしてご先祖様が晴らしてくれたのか、点灯開始前には雨があがったそうです…
護摩木はこんな風に組んでいくんですね!キャンプファイヤーみたいな組み方です。
松の葉を間に仕込み、燃えやすくしていくそうです。
いつもは組んである火床の下から火をつけるそうですが、この日の雨で地面に近いところは水浸し。
真ん中あたりから火を入れることになったそうです。
この日は雨で視界が良くなかったそうですが、天気のいい時は夜景も、ほかの送り火も見える
特等席となるようです。これが見られるのは保存会さんたちの特権でしょうね…
そして点火!
火がすさまじい勢いなのがわかります。すごく熱そう!!
燃えている火床にはそれぞれ保存会の各家に割り振られているそうです。
この時の服装は長袖、化学繊維は駄目だそうです。
なぜなら溶けて火傷してしまうから…
そして煙を吸い込まないためにみなさんタオルで口を覆ってます。
京都の風情を感じさせる送り火はこんなに激しいものだったのですね…!
いかがでしたか?とても貴重な写真で、なかなか見る機会が無いものだったのではないでしょうか。
私たちが麓で見ていた風物詩はこんなに熱い!方たちによって支えられていたのですね。
貴重な写真を提供してくださった井上さん、ありがとうございました。
今年の送り火は直前まで雨がひどく、また警報も出るほどのものだったので、見るのを断念した方も多かったようです。
博物館で一緒に見た方々は口をそろえて「今日は雨がひどいから見られないかと思ったけど、見れて本当に良かった!」と言ってらっしゃいました。やはり、ご先祖様が保存会の方々に力を貸してくれたのかも?そんなことを思います。
そしてみなさん、送り火はあれぐらいの雨では中止にはならないようですよ!
来年はどんな送り火になるのでしょうか。ご先祖様も楽しみにしていることでしょうね。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。(松本)