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京都の街角2

■毎週日曜更新 権太呂スタッフの「旬な京都便り」

2017.03.05

製麺を担当しております。福田と申します。

 

京都には、有名な寺社・名所が数多くありますが、

見過ごしてしまう街角にも歴史を感じるものがたくさんあります。

 

これもそのうちの一つ。

場所は、二条城の北角近くにある公園ですが、ここには小さな祠があります。

 

 

 

何が祀られているかというと、”ぬえ”という妖怪なのです。

 

時は平安時代。近衛天皇の頃。

御所の上空に、毎晩、怪しい黒雲が現れ、カラスのような鳴き声が聞こえてきたそうです。

その気味悪さゆえ、病気になる人々も多く、

弓の名手だった源頼政に退治の命が下され、弓を射ると怪しい物体は二条城の北の方に落下したそうです。

その姿は、頭は猿、体は狸、手足は虎、尾は蛇のような妖怪だったそうです。

 

その血を近くの池で洗い、祠を建てたそうなのですが、

この”ぬえ”という妖怪には正体の分からない物という意味もあり、

一説には、方角を表す干支「寅(虎)-北東」「巳(蛇)-南東」「申(猿)-南西」「乾(犬、狸、狐と混同していた)-北西」の合成で、

東西南北を45°回転させたこの”ぬえ”十字は、

東西南北の碁盤の目のように作られた京都に交わらない不吉な意味があったとも言われます。

 

 

池の跡地

 

 

でも、もしかすると、妖怪騒ぎを隠れ蓑にした政権争いがあったのかもしれませんね。

 

 

兎にも角にも、京都には歴史的なミステリーがたくさん隠れています。

そんな視点で街を歩いてみるのもいかがでしょうか。

 

(福田)