紙面が限られたDMや、WEBのショッピングページだけでは、お伝えしきれない、
『作り手のモノ作りに対する、「こだわり」や「思い」』をお届けするのが、
この「権太呂の厨房から」。
今回は調理主任小田が担当した、『春萌え』についての思いや、形にするまでの苦心を
振り返って、カタログ同封のご挨拶状にしたためた文章を紹介致します。
「山笑う」のどかな季節を迎えようとしております。
今回お届けの春増刊号より私が担当した「春萌え」をご紹介致します。
「春萌え」でまず考えたのが、春の本当の贅沢とは何だろうと、
スタッフ一同で話し合いの場を持ちました。
結果、尊い大地の恵に感謝するという、原点回帰の方向性で
スタート致しました。
「春の摘み草」に於いては、山菜料理は山の民の「食生活の糧」、
摘み草料理は「事・料理人の仕事」と捉え、大宮人の風雅な心を
もって創作調理にあたりました。
大切にしたことは、春の苦み、色彩、食感を活かすこと。
調理法では、「ぬた和え」「塩焼き」「蕗のとう味噌添え」「白和え」
「塩ゆで」と個々の素材の風味、持ち味を活かすよう調理致しました。
素材はタラの芽、わらび、うるい等、八種を用い、五枡の端正な小箱を
設え、見た目にも愛らしく盛り付けました。
小箱のふたを開けた瞬間をお楽しみください。
皆様の春の食卓の前菜として、又ちょっとお洒落な春のおもたせとして、
ご活用頂けたら幸いです。
京都権太呂 調理主任 小田健一郎