株式会社権太呂食品

権太呂ブログ

「権太呂の厨房から」 『-涼彩- 鱧すき鍋』<包装編>

権太呂社長 藤本和洋のブログ

2011.07.01

紙面が限られたパンフレットや、WEBのショッピングページだけでは、お伝えしきれない、

 『作り手のモノ作りに対する、「こだわり」や「思い」』

をお届けするのが、この「権太呂の厨房から」。

今回は、京都の夏の代名詞『鱧』を「鱧すき」としてお楽しみ頂く

『-涼彩- 鱧すき鍋』を<調理編>と<包装編>とに分けてご案内致します。

今回は<包装編>をご案内致します。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇  目次  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

<調理編>

 ◆ リニューアルの理由(ワケ)
 ◆ どうしてこのような形に?
 ◆ 手にして初めて分かる『意匠』

  ※「権太呂の厨房から」 『-涼彩- 鱧すき鍋調理編
    もあわせてご覧ください。


   
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

   今回は、『-涼彩- 鱧すき鍋』のリニューアルで、容器のデザイン・制作に携わった

   社長の血脇に話を聞きました。容器のリニューアルに関しては社長の思いが随所に込められて

   おります。ぜひ最後までご覧ください。
   

  ◆ リニューアルの理由(ワケ)

梅  早速ですが社長、今回の『-涼彩- 鱧すき鍋』の包材をリニューアルしようとした

   経緯をお聞かせください。
   

血脇社長(以下「血」)  看板商品の「京風うどんすき権太呂鍋」は一年を通じてお楽しみ頂けるんですが、

   それ以外に”夏”という季節感を盛り込んだ鍋を作りたいと思ったんですね。それはある意味、『非日常』と言える
   
   内容にする必要がありました。


「今回の鱧すき鍋には並々ならぬ思いがある」と、楽しげに、そして熱く語る血脇社長。

   
梅  それはご進物に利用頂くことも考えて…ということでしょうか。 
   

血  ギフトに限らないんですが、「日常に非ず」ということで、ご自宅でもやはり“ハレの日”にご利用

   頂けるようなものにしたかったんですね。権太呂鍋の豪華食材に引けを取らず、食材をきちんと

   盛り付けることができる“器”が必要だと、思ったんです。
   
   
梅  内容に見合う“容れ物”をということですか。では具体的に、どういった点に盛り込まれたのでしょう。

                                           
                                                     ↑topへ

 ◆ どうしてこのような形に?

血  まず、今回の『-涼彩- 鱧すき鍋』は「鱧すき」と「うどんすき」を楽しんでもらいたいというところから

   出発したので、まずその2つを明確に分ける必要がありました。
   
   
梅  そのための「二段重」ですね。

   
血  そのとおり!そして、”曲線”と”直線”を一つの形で表現したいと考えていって、”円柱形”にたどり着いたんです。

梅  なるほど。では、食材に負けないためにと、器に持たせた”質感”についてはいかがですか。

血  思うところは次の3点ありましてね、

     1)容器の柄に日本伝統の模様をあしらった
     
     2)グレーを基調とした落ち着いた色合いとし、「静かであるが、粋である」という思いを形にした

     3)結び紐にこだわった
 
     
梅  それぞれについて詳しく教えてください。

血  まず、1)については、「京都らしさ」=「日本の伝統」と言っていいと思うんです。なので、たとえば

   唐草模様といった、古来より伝わる伝統的なデザインにあれこれと目を通すうちに、「これだ!!」

   というものに巡り合えたんです。それがこの模様です。


   

梅  『直観』ですか。

血  直観というよりはむしろ、いろいろと調べて自分のなかで蓄積したものが形になったというのが、

   より近いですかね。

   また2)については、主役はあくまで中身(食材)なので容器が「でしゃばっちゃあいけない」。

   加えて、「きっちり存在感があるもの」である必要もある。

   この相矛盾する思いを表現したのが、採用した”グレー”の色を基本とした色味なんです。
   
   「上品さ」や「涼しさ」をお客様に感じてもらえれば嬉しいですね。
   
   
梅  3)についてはいかがでしょう。

血  結び紐については、


                     

     1〕器全体とのバランスを取り、「白」と「グレー」で結わえた
     
     2〕平紐としたことで、「シャンとした仕上がり」となり、それにより「潔さ」を表現した
     
     3〕実際に結ぶのではなく、「蓋にとめる」ことで、どの器も「きちんと結んだもの」が
     
       お客様のもとに届くようにした
       
       
   ということでしょうか。特に3〕については、蓋の「結び目」や「紐」は、器のセンターに位置するため、
   
   お客様の目にまず飛び込んでくるところ。ここがきっちりしてないとなにもかも台無しなんですよね。
   

梅  なるほど!「豪華食材を引き立たせる意味合い」というのは、こういうところに盛り込まれているわけですね。

                                                     ↑topへ

 ◆ 手にして初めて分かる『意匠』

梅  お客様は自分の手元に商品が届かない限り、カタログやパソコンの画面を通してこの器を知るわけですが、

   「手にして初めて分かる」というようなことはありますか。
   

血  ぜひ手にしてもらいたいので、実はそういうところもあるんですよね(笑)。

   まずは、蓋に「権太呂」の文字が”浮き出し文字”でデザインされてるところかな。
   
   
梅  確かにこれは一度手にして、触れた方がよくわかりますね。

血  さきほどから言っているように、ここもやはり”でしゃばっちゃいけない”んですよ。今こうして、

   梅田君から聞かれたから答えるけどさ、というスタンスなんですね。

   
梅  「権太呂」の書体も独特ですね。

血  直線的な文字はデザインとして成り立たせているから、容器の丸に対してバランスをとったと

   言ったらいいでしょうか。
      
      
梅  今回の『-涼彩- 鱧すき鍋』の容器について、社長から最後に一言頂くとすれば、どのようなことでしょう。

血  再三申し上げております通り、やはり主役は“食材“です。ただ、それに見合う’容れもの’も必要だということで、

   今回のリニューアル企画を進めました。食材も器もセットでお客様に届きます。

   お鍋を楽しんでもらいたいのはもちろんですが、お鍋が終わったら、
   
   「ところでこの入れもの、なにかを入れるのにとっておこうよ」
   
   などという会話がご家庭でなされましたら、社長というよりむしろ、モノ作りに携わったものとして、
   
   これほどの喜びはありません。
   
      
梅  ありがとうございました。

          

                 
                                                     ↑topへ

最後までご覧頂きましてありがとうございました。

「権太呂の厨房から」 『-涼彩- 鱧すき鍋』
      ∟<
調理編>へ